小学校で2020年からプログラミング教育が始まり、2025年から大学入試で「データ活用に関する基本的な理解や考察力を測る」目的情報と教科が取り入れられる予定です。
親の立場から、大学入試にまでプログラミングが取り入れられるとはいえ「プログラミングを学ぶと何がいいの・将来役に立つのだろうか」と感じていませんか。
この記事では、次のことが理解できます。
・子どもがプログラミングを学ぶメリット
・プログラミングが将来に役立つ理由
・プログラミングを学ぶために必要なこと
子どもにプログラミングを習得させたほうがいいか迷っている方はぜひ参考にして下さい。
子どもがプログラミングを学ぶメリット
親の立場からすると、「プログラミングは大人になってからでもいいんじゃないの?」
「子どもがIT系の仕事をするかわからない。将来のために学習塾へ行かせ大学へ進学させたほうがいい」
「プログラミングができても将来役に立つかわからない」と、思っているかもしれません。
この気持ちも十分理解できます。
それでも、プログラミングを学び習得したておいたほうがいいメリットをお伝えします。
仕事の選択肢が広がる
IT業界は今後も拡大していくと予測されており、プログラミングのスキルはますます求められています。
プログラミングのスキルを身につけることで、エンジニアやデータサイエンティストなど、様々な職種に就くことができます。
特にデータサイエンティストは、今後注目されるでしょう。
なぜかというとですね、ビジネスやITにどちらにも精通していなければならないんです。
よく耳にするビッグデータも会社にあるIT部門が事後処理するればなんとかなるような状況ではなく、だんだんと手に負えなくなりつつあります。
そこで、このビッグデータ(会社にとっての金鉱山)からビジネスにつながるヒントを掘り起こしてくれる人材が必要になってきたんです。
それがデータサイエンティストなんです。
データを分析したり、人と違う視点で発想するために基本となるプログラミング的思考力を磨いておくいいですよ。
データサイエンティストにならなくても、これからはIT技術は必須のスキルです。
技術的な問題解決力が身につく
プログラミングを学ぶことで、論理的思考力や問題解決力が身につきます。
また、プログラミングを通じて、実際に問題に直面し、それを解決するために必要なスキルや知識を身につけることができます。
学校の授業を例にとると、小中高と学年が上がるにつれて内容も難易度も当然アップしますよね。
でも、基本として「問題を読み解き」「答えを導き出す」方法は今までの積み重ねによるところが大きいです。
小中と算数が苦手なのに高校生になって突然好成績をたたき出すなんてことはできません。
コツコツと基礎を積み重ねることで徐々に成績がアップしていきます。
プログラミングは問題を読み解き答えを導く思考力を鍛える方法の一つです。
勉強もできてIT技術も身に付けておけば、その先の選択肢が多くなります。
創造性を発揮できる
プログラミングは、自分でアプリケーションやウェブサイトを作成することができるため、創造性を発揮することができます。
自分のアイデアを形にすることができるため、やりがいや達成感を感じることができます。
とはいえ、小学生がスマホのアプリをちゃちゃっと作ることはかなり難しいです。
子どもが取り組みやすいビジュアルプロブラミング言語を使って、子ども自身が考えたゲームを作ってみたり、作ったゲームで友達と遊んでみる。
そのゲームが評価され、「もっとこうしてみよう」「これをこうして・・・」と子ども自身の頭の中でいろいろと創造が広がっていきます。
親が勝手に思っている規格外の発想が生まれるかもしれません。
資産価値が上がる
プログラミングは、自己学習や練習を通じて習得できるスキルの1つです。
プログラミングのスキルを身につけることで、子ども自分自身のアイデンティティを高めることができます。
「俺はプログラミングができるよ」ってめちゃくちゃすごいじゃないですか!
この自身が、今後子どもの成長に必要不可欠です。
一つでも自信を持てるスキルがあるって、大人でも羨ましいと思いますからね。
デジタル時代に必須のスキル
今後ますますデジタル化が進む社会において、プログラミングは必須のスキルの1つとなっていくでしょう。
プログラミングを学ぶことで、デジタル時代に必要なスキルや知識を身につけることができます。
もう、算数や国語を学校で学ぶのは当たり前ですが、プログラミングも当たり前になってくるでしょう。
ポケベルが流行ったころ携帯が流行ったころ、そして今では小学生ですらスマホを使いこなす時代にIT関連技術の一つでもあるプログラミングの知識を知っておくことは必須になります。
もしかすると、親からすると「そこまで知らなくても生きていけるでしょ。大げさだよ。」
と、思うかもしれません。
知らなくても生きてはいけますよ。
でも、知らないより知っているほうが損をすることが、知らないより少ないでしょう。
子どもの未来の選択肢が多いほうがいいと思いませんか。
自分で考えてゴールをイメージする力が身に着く
ネットのニュースに「8人に4リットルのジュースを分けると1人は何リットルになりますか」という小学生対象の算数テストの問題に対する驚きの回答が紹介されていました。
答えは1人0.5リットルになりますよね。
ところが、小学生の36%が1人2リットルと回答したそうです。
8÷4=2と計算し2リットルと回答したようです。
計算は間違っていませんが、問題を読み解く力が足りていないとこうなってしまいます。
前の数字を後ろの数字で割るという基本的計算方法で答えを求めてしまったと思われます。
では、答えを導くためにプログラミングするならどうするか。
まず、答え=ゴールは「1人何リットルに分ければいいか」ということですね。
①全部で何リットルあるかという箱(Aの箱)を用意します。
②何人いるか(分ける対象の人数)の箱(Bの箱)を用意します。
③答えを入れる箱(Cの箱)を用意します。
④計算ボタンを作る
⑤答えを表示する
こんな感じでプログラミングすれば、「何個」の場合も同じように答えられます。
実際にプログラミングしていなくても、プログラミング的思考を身に付けることで
「プログラミングの技術」と「問題を解決する方法を考えること」が身に付きます。
プログラミングを学ばなくてもいいのでは
この算数の問題のように論理的に考えれば、わざわざプログラミングのような論理的な思考をしなくても問題はありません。
わざわざプログラミングを学ばなくてもいいのではないかと思いますよね。
2022年からは「情報I」が必修となり、全ての高校生がプログラミングやデータ活用を学ぶことになります。
プログラミングやデータサイエンスに必要な統計処理、情報リテラシーの知識などを試す「情報」が導入されます。
「数学」や「国語」と一緒に「情報」教科が基礎教科となります。
将来不足すると言われているIT(情報技術)人材の裾野拡大につなげる狙いがあります。
情報リテラシーが低いと、情報に振り回されてしまいかねないです。
IT関連にまつわる仕事をしなくても情報リテラシーを高めておくことがこれからは大事になってきます。
だからプログラミングを学ばないよりは学んでおいたほうがいいんです。
プログラミングを学んだ先にあるものって?!
プログラミングを学んだからと言って、他の子どもより特別なことはありません。
それでも、次のことが期待できますよ。
・プログラミングを学習することで子どもの可能性が広がる。
・プログラミングの思考方法は問題を解決する能力がアップする。
・将来の選択肢が絶対に増える。
直近で身近に感じるのは、2025年から大学入試の共通テストにプログラミングが取り入れられることです。
だからこそプログラミング学習を軽視することはできません。
例えば、大学へ進学するとして文系に進んだとしてもプログラミングを理解していたら、その先の可能性はもっともっと広がります。
プログラミングを学ぶために必要なこと
プログラミングを学ぶために次のようなことが必要になります。
基本的なコンピュータの知識
プログラミングに必要な基礎知識として、コンピュータの基本的な仕組みや構造についての理解が必要です。
例えば、コンピュータのファイルやディレクトリの操作方法、プログラムの実行方法などが挙げられます。
プログラミング言語の選択
プログラミング言語は様々なものがあり、それぞれ特徴があります。
初心者には比較的簡単で学びやすい言語として、PythonやJavaScriptがおすすめです。
いま紹介した言語は、プログラミングコードを打ち込んでいく感じです。
いきなりだと難しいので、小学生低学年からできように開発されたビジュアルプログラミング言語をお勧めします。
代表的なビジュアルプログラミング言語と言えば、スクラッチやビスケットなどがります。
ブロック型のアイコンをマウスで動かし組み合わせて様々なプログラムを作ることができます。
直感的にプログラミングができるので分かり易く理解しやすいように工夫されています。
例えば「10歩進む」というブロックと「右に曲がる」というブロックを組みあわせると10歩進んでから右に曲がります。
先に「右に曲がる」と言うブロックに「10歩進む」というブロックを組み合わせると、右に曲がってから10歩進みます。
同じブロックの組み合わせでも順番を変えると、結果が異なります。
これが大事なんですよ。
ここ結構ポイントです。
正しくブロックを選んでも、組み合わせが変わると自分が考え想定していた動作と異なってきます。
ブロックを組み合わせるという、ちょっと簡単なように思うかもしれませんが、ここでプログラミングの基礎を身に付けていきましょう。
プログラムの書き方の学習
プログラムを書くためには、その言語における文法や書き方のルールを学ぶ必要があります。書き方を理解することで、自分でプログラムを書くことができます。
子どもがプログラミングをするならビジュアルプログラミング言語がお勧めと言いました。
ブロックを組み合わせていくとプログラミングが完成していくんです。
いろいろと組み合わせていくと、ちゃんと動くこともあれば、全く意に沿わない動きをすることもあります。
プログラム構造の基本は、「順次」「分岐」「繰返し」になります。
例えば、「10歩進む」ブロックと「右に曲がる」ブロックを組み合わせます。
更に「10歩進む」ブロックと「右に曲がるブロックと「10歩進む」ブロックを組み合わせると1周します。
この一連の動作を続けると「繰返し」になります。
さらに、5週回ったら、「左に曲がる」とすれば「分岐」になります。
ブロックの組みまわせだけのように思えますが、実はプログラムの基本構造を学んでいるんです。
練習練習練習
プログラミングは練習が必要なスキルの1つです。
コーディングの練習を通じて、プログラミングのスキルを磨くことができます。
初心者には、オンラインのチュートリアルやコーディングゲームなどを活用することをおすすめします。
ですが、小学生の初心者がコーディングなどハードルが高い!
そこで、ビジュアルプログラミング言語を使って、いろいろなプログラミングに挑戦すれば早い子なら小学校の高学年になるころには、大人と同じようにコードを記述できるかもしれません。
練習とは言え、遊びながらゲーム感覚で繰り返していけば、楽しみながら学べるでしょう。
心配なことは、一人だけでは挫折してしまうと思います。
コミュニティへの参加
プログラミングを学ぶためには、コミュニティに参加することも大切です。
プログラミングの専門家や他のプログラマーとの交流を通じて、自分のスキルを向上させることができます。
以上のようなことが必要なんですが、小学生の子どもが一人でやるなんてまず無理ですね。
いきなりコードを書いてゲームを作れる小学生はまずいませんので安心してください。
小学生がプログラミングを始めるなら、取り掛かりやすいビジュアルプログラミング言語から始めることをおすすめします。
ビジュアルプログラミング言語の代表はスクラッチです。
同サイトにスクラッチの始め方の記事を掲載しているので参考にして下さい。
「Scratchスクラッチ 子ども向けプログラミングの始め方」
https://www.logicalthinkingability.com/programming/post-75/
そんなこと言うけど、小学生がプログラミングをやるなんて難しいんじゃないの?と思う方は次の記事を参考にしてみて下さい。
「小学生がプログラミングを習得するのは難しい!って本当なの?」
子どもたちが、プログラミングに興味を持ってくれると嬉しいです。