学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、2020年度より小学校から順に実施されます。
小学校中学年から「外国語教育」を導入。
さらに、小学校で大きな改定として「プログラミング教育」が必修化されました。
親御さんの中には、小学生のころから「プログラミング教育」が必要なの?
もっと他の教科の授業数を増やした方がいいんじゃないのかな?と。
今回のプログラミング教育の導入に疑問や不安があります。
この記事は、プログラミング教育に不満や不安を抱く親御さんに向けた記事になっています。
不満や不安解消のお役に立てれば幸いです。
親から見たプログラミング教育への不安な部分とは
2020年度から小学校でプログラミング教育が必須化され、親御さんからすると、不満や不安の声があります。
・プログラミング教育以外にもっと大事なことがある。
・子供をプログラマーにさせるつもりはない。
・パソコンやタブレットなどの端末を与えたら、勉強もぜすゲームばかりするのでは。
・インターネットを使って犯罪に巻き込まれないか心配
これ以外にも、低学年のうちは基本的な教科の授業数を増やしてほしいという声もあります。
これだけを切り取って見ると、プログラミング教育に大反対な理由も理解できます。
確かに、小学1年生や2年生だと、まだ自分で考えて行動することがままならない状態です。
それよりも学校で集団生活に慣れていきながら、国語や算数など基本的な教科を繰り返していくことが大事です。
プログラミング教育の導入目的に「理論的思考力=プログラミング的な思考」を育むことがあります。
小学1年生や2年生に理論的な思考なんて、まだまだ無理なんじゃないの?
そう思いたくもなります。
プログラミング教育のメリットとは
しかし、プログラミング教育を早い段階から行うことにもメリットがあります。
その一つがITリテラシーの向上です。
ITリテラシーとは、コンピュータやインターネットなどを利用して得られる情報を使いこなすための知識や能力の事を言います。
もう少し嚙み砕いて言うと、きちんと理解していて、ちゃんと使いこなせてる?って事です。
事によっては、被害者になったり、いつの間にか加害者の立場になってしまうこともあるんですよ。
もし、お子さんがスマホを使ってYoutubeを見て、その動画の説明欄にURLが貼ってあったとします。
そのURLの先にあるものが危険かどうかを判断する力がなければ、誘惑に負けてURLをクリックしてしまうかもしれません。
また、親の知らないうちにSNSで知らない人と繋がり、犯罪に巻き込まれてしまうかもしれません。
まったく何もしらないままパソコンやスマホを使い始めるよりも、使い方の知識や能力を高めることで、子供を危険から守ることができます。
使い始めは、何が危険なのか子どもと一緒に話し合ってみるのもいいと思います。
ただし、一方的に”あれがダメ・これもダメ”では、子どもが納得しません。
かといって子どもに寄り添いすぎず、親の立場からしっかりと説明してあげて下さい。
そして、パソコンやスマートフォンから子どもを守るなら危険なサイトやSNSをブロックする必要もあります。
こちらの「有害サイトから子どもを守る方法!子どもに絶対見せたくない有害なサイトから子供を守る」記事を参考にしてみてください。
そこからが本当のプログラミング教育の始まりだと思います。
プログラミング教育の導入目的でもある理論的思考力を身に着けることで、“誰かに言われてから行動する”ではなく、“自ら考えて行動する”ようになるんです。
プログラミング教育で人間とICTが融合する便利な社会へ
プログラミング教育では、課題を解決する考え方を身に着けることが重要。
これからの社会では、今までと同じ仕事は、どんどんロボットなどのAIに取って代っていきます。
仕事と言いましたが、もっと細かく言うと作業ですね。決まりきった作業は人間がやる必要がなくなる時代が来ます。
今とは全く違う社会が10年後20年後にやってきます。
いまの子どもたちが将来の社会を担っていきます。
単純な作業などロボットに代わっても問題のないものは100%ロボットに取って代っているでしょう。
じゃ、人間は何をするのかというと、ロボットができない仕事ということになります。
ロボットにできないことというと、作業が単純ではなく状況に応じて解決方法を編み出し、答えを導き出すような仕事になります。
そうなるには、行き当たりばったりな物の考え方や主観や感情だけでは無理です。
道筋を立てて解決できる方法を考えるようにならなければなりません。
まさにプログラミング的思考力になります。
小学低学年生からコンピュータなどを操作して使い方を学び、正しい情報を選択できるように身に着けることが重要です。
ただスマホの画面に映し出される情報を鵜呑みにしたり、ゲームやSNSを使用しているだけでは、使われるだけの人間になってしまいます。
それは、物事を考えない人間になってしまい、SNSに流されるデマさえも本物と信じてしまうようになってしまうかもしれません。
これから、ますます情報やITに関する技術が求められていく時代です。
プログラミング教育は、プログラムを作るだけではなく、将来必要となる人材として、理論的な考えや創造性により物事を解決できる人材、すなわち自分で考えて物事を解決できる人材を育成することです。
それを、大人になってからではなく小学生のころから育んでい行きましょうということです。
ただし、プログラミングが嫌いなお子さんもいると思います。
体育が苦手、算数が苦手というのと一緒だと思います。
嫌いな勉強は苦痛ですが、理論的な考えや創造性により物事を解決する力を身に着けることは必要です。
不安になることはありません。
小学校で行われるプログラミング学習とは
小学校の授業でプログラミングが一つの科目として行われることはありません。
算数や理科や社会や国語といった、今までの授業の中で問題を解く過程でプログラミングを取り入れてます。
プログラミングと言うよりも、答えを導き出すプロセスを重視し”考えて自分なりの答えを見つける”サポート役ということになります。
1+1=?
小学生1年生でも”2”と答えられます。
何も考えなくても答えられます。
なぜ”2”となるのか、自分なりに考えて答えることができるようになるための手段として用いたのがプログラミング学習です。
子どもが将来プログラマーにならなくても必要なの?
たとえ、IT関連の仕事に就かなくてもプログラミング学習は必要です。
こんな会話を記憶していませんか?
「微分・積分なんて社会に出ても使わないから必要なかった」
確かに、ほとんどの仕事で微分・積分を必要とする場面はほぼ無いでしょう。
いや、あるわけないです。
そういうことじゃなくて、実は問題に対して解答を導き出すプロセスを学んでいたんだと30過ぎて気が付きました。
プログラミング学習も、いま不足しているIT関連人材を育成する意味もあるかもしれません。
学習の目的でもある解答を導き出すプロセスである論理的思考力・プログラミング的思考力を身に着けることにあります。
将来、どんな仕事をするにしても論理的な思考をする人材が求められているんです。
経済同友会が2014年に企業へのアンケート「選考基準・求める人材」で面接時に重要視される能力的要素の1位に「論理的思考力」があります。
このことからも、必要な能力であることがわかり学習しておくほうが、学習しないよりもいいことがわかります。
2024年度の大学入試からプログラミングなどの情報科目の導入が検討されています。
高校では2022年度に共通必履修科目としてプログラミングを含む「情報 Ⅰ」を新設することが決まっています。
このことからも、プログラミング学習に不安にならず前向きに学習をすることが大事ですね。
算数でプログラミングを取り入れた授業に関しては次の記事を参考にして下さい。
プログラミングと算数の関係! 小学校の授業はどんなことやるの?
https://www.logicalthinkingability.com/learning/post-631/
プログラミングについては、いろいろと書籍もあるので参考にしてください。
プログラミング学習する前に読んでおくべき本【小学生の親御さん必見!?】
https://www.logicalthinkingability.com/teaching/post-139/
会社で仕事を進めるうえで、直観や感情で訴えることも必要です。
訴える熱量は大事なんですよ。
でも、その仕事を成しえるために課題整理と解決方法など大事なことをちゃんと考えないと、ただただ突き進むわけにはいかないんです。
そのために必要なのが論理的思考なんです。
プログラミング的思考力を鍛えましょう!